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高校講座 古文 更級日記28 『更級日記』と近現代文学

更級日記は、作者の菅原孝標女が、寛仁4年(西暦1020年)に父の菅原孝標が上総の国の国司の任期を終え、共に帰京した13歳の頃から始まり、50代までの約40年間を書き綴った回想録です。

 

孝標女は物語の世界に強いあこがれを抱き、『源氏物語』の夕顔や浮舟のような恋愛に焦がれる娘でした。前半は、上総の国から東海道を京の都まで旅した時の風景や出来事を綴る紀行文になっています。約90日にも及ぶ大変な旅でしたが、道中で目にする富士山や浜名の橋(浜名湖)で見た波に感動している姿も書かれています。

 

また、京に戻ってからは、親しかった継母との別れ、愛する乳母や姉の死、家の火事など厳しい現実がありました。その後、宮仕えや結婚を経て、物語の世界と現実の違いを認識し、夫や子どもの将来を願うという現実的な夢を追うことになりました。しかしやっとのことで信濃守になった夫が急死し、孝標女は悲しみに暮れます。

 

更級日記は、孝標女の自叙伝であり回想録です。更級日記からは、平安時代の中流貴族の生活や当時の女性の生き方がはっきりと読み取れます。

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